宮大工と大工の違いとは何か?年収や資格の差も検証

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by ari_na

更新日:2019-05-02

公開日:2019-04-26

大工・宮大工

”宮大工”とは神社や仏閣を手がける大工のことを言います。では、一般的に家などを建てている”大工”と宮大工の違いは何でしょうか?なるための資格や年収の差もチェックします!


神社やお寺などを建築する大工のことを”宮大工”と言います。大工の仕事は分類が多く、建物以外にも船大工や家具大工など、扱っているものによって呼ばれ方が変わってきます。

では、一般的に家などを建てている”大工”と”宮大工”の違いは何でしょうか?また、それによって年収も違いがあるのか、なるために資格の取り方も別なのかを検証します!


宮大工とは?

宮大工とは

宮大工を簡単に説明すると、神社やお寺を建築している大工のことを指します。

宮大工の歴史は古く、飛鳥時代まで遡ります。7世紀頃のことになりますが、朝鮮から僧侶が2人日本を訪れて、飛鳥寺を建立したことが由来だとされています。

宮大工になるために特別な資格などは必要なく、就職先は神社や仏閣の建設に携わっている工務店になります。
そこで、大工の世界で言うところの親方である棟梁のもとで修行し、まずは見習いから始まります。

「木組み」の知識や技術を得る

宮大工が何を修行するかというと、「木組み」という伝統的な工法です。
神社やお寺はこの木組みの工法を用いて建てられており、一般的な家やビルなどを建てる際には使わない方法となっています。

一般的な建築物には、予め加工されている木材が使用されます。しかし、木組みの場合は自らの手で削った木材を使用します。
見習いの段階から、この木組みに関する知識や技術をしっかりと体得しておく必要があります。

宮大工になるには取得していなければならない資格はありませんが、大切なことが2つあります。
この木組みのことと、建築物に特殊で芸術的な装飾を施すためのセンスを磨いていくことです。

道具も自分で作る

宮大工は木組みに使う木材以外にも、自分の手で作るものがあります。それは建築に使用する道具類です。

使用する木材を接ぎ木していくので、それは長い時間がかかります。

さらに仕事が終わったあと、道具の手入れも数時間かけて行います。大事な道具だからこそ、粗雑に扱うなどとんでもないことです。
技術も作業も、果てしない時間を費やしていくのが宮大工と言えますね。

一般的な大工とは?

続いて、一般的な大工についてご紹介します。

大工も宮大工と同じ様に資格などは必要なく、まずは大工の親方に弟子入りすることから始まります。
工務店に就職後は、現場での作業を重ねることで基礎を学び、徐々に技術をアップさせていきます。

肉体労働以外の仕事も

実務経験を重ねて大工として働きはじめたら、体力勝負の日々になります。
しかし、大工は肉体労働だけが仕事だけではなく、実に様々な業務をこなしています。

現在では大工の仕事もIT化が進んでおり、一部の会社では製図ソフトである『CAD』を使って図面を作成することもあります。
さらには工程表を作る時もワードやエクセルを使っているので、どちらかと言えばパソコンが少しでも使いこなせる方が良いでしょう。

とくに経験も浅く、まだ若手の大工はCADが使えることで重宝される傾向にあるようです。

宮大工と大工の修行年収の違い

大工と宮大工の違い

宮大工と大工は、修行の年数が大きく違っています。

同じ建築に携わる仕事であるにも関わらず、なぜそんなに違いがあるのでしょうか?

一人前になるまでの時間

大工の場合は、見習いから一人前になるまで2〜3年くらいの修行を積みます。
大体この年数の修行で基礎を学び、現場での仕事を任せてもらえるようになります。

その一方で、宮大工は一人前になるまでに10年ほどの時間を費やします。
一体なぜそんなに時間がかかるのかというと、覚えなければならない知識や、習得する技術の量が膨大だからです。

さらに、宮大工は神社やお寺を取り扱っているので、何百年も前の工法を知っておかなくてはなりません。
修繕や改築を行う時に、技術以外に歴史も学んでおいた方が良いのです。

宮大工と大工に通ずる資格とは?

宮大工と大工になるのに資格が必要ないと言っておきながら矛盾に感じるかもしれませんが、「あった方が良い」とされている資格は存在します。

この資格を取得していることで、どんなことに役立つのでしょうか?

技術を証明する制度もある

経験と腕前が物を言う大工の世界ではありますが、いくら「自分は経験も長く、何でもできる」と言ったところで自分の実力を示したことにはなりません。

そこで、『建築大工技能士』という検定を受けて合格することにより、技術があることを証明できます。
試験は1〜3級の区分に分かれていますが、実務の経験年数によって受けられる検定が違ってきます。

資格が不要の大工の世界ではありますが、仕事の幅を広げたいと考える方にはおすすめの資格です。

宮大工と大工の年収は?

一般的な大工と宮大工では、修行の年数や技術面が大きく違っています。

その2つの職業では、年収においても違いがあるのでしょうか?

宮大工の年収

まずは宮大工の年収からご紹介します。

現場に出る仕事としては、大工や宮大工は比較的高い収入が得られるとされています。

収入は日当ですが、見習いの段階では1日に1万円前後をもらっています。
これが経験を積んで腕が上がってくると1万5千円前後になり、棟梁のレベルだと2万8千円くらいになります。

これが年収になると、見習いのうちは350〜400万円前後なので、一般的なサラリーマンと同じくらいの額と言えますね。
一人前の宮大工ともなると年収が600万円ほどになり、かなりの高収入を得ている人だと1000万円を超える宮大工もいます。

1000万円を超えるような年収を得ている宮大工はごく稀であり、相当の技術があることが求められます。
まさに、究極の実力勝負の世界です。

大工の年収

大工の日当は、全国的に見ると平均で1万6千円ほどになります。
地域によって数千円の差がありますが、見習いの段階では8千円前後、技術面が優れた経験豊かな大工は2万円前後もらっているようです。

見習いのレベルでは月収が15万ほどのため、年収に換算すると200万円前後になります。
ベテランの大工は年収が800万円ほどと大きく跳ね上がり、こちらも稀に1000万円ほどの年収を得ている人もいます。

宮大工と大工の違いについてのまとめ

宮大工と大工は、同じように建築の仕事であっても大きな違いがいくつもあります。

扱っている木材も、既に加工されているものを使用しているのが大工ですが、宮大工は自分の手で木材を削ります。
さらに、どちらも棟梁のもとで弟子入りをしますが、修行の年数も大工は2〜3年、宮大工は10年と大きな差があります。

年収については、経験の年数や技術面が優れるほどに収入アップにつながることは、どちらも同じです。

資格がなくても良い世界ではありますが、『建築大工技能士』の検定に合格することで、自分がどの程度の技術を持っているか証明することができます。
建築の仕事をする際、どちらの道を選ぶのかを吟味して就職しましょう。

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