裁判官になるには?司法試験の難易度や裁判官の年収・仕事内容まとめ

裁判官とは司法権を行使し、最高裁判所・高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所において訴訟を起こして争う「争訟」で事実等を取り調べ、検討して法律を適用して有罪か無罪かを決定する官職です。

最高裁判所長官をはじめとする6種類の階級があり、最高裁判所長官は内閣の任命に基づき天皇陛下が認証することが憲法で定められています。

裁判官は法律と自身の良心に従って公正に、中立の立場を守りながら両者の意見を判断し採決を取ります。

日本の裁判官の人数は本来必要な人数(7000人)の約半分しかおらず、一人当たりの担当する件数が年間250~300となり常に仕事に追われている裁判官も多くいます。

裁判官になるには司法試験に合格する必要があり、合格後は裁判所・検察庁・弁護士事務所で司法修習生として1年間の研修を行い、司法修習生考試に合格の後裁判官・弁護士・検察官の3つに中から希望する職種を選び、採用試験に合格しなければ裁判官になる事は叶いません。

司法試験は超難関とされる国家試験の代表で、重責を担う裁判官としては優秀な人材であらねばならない証としての成績と人格が必要な職種です。

目次

「裁判官」という仕事について

裁判官の仕事

裁判官の仕事は、全角各地にある裁判所で行われている民事裁判・刑事裁判で被告・原告、証人や弁護士・検察官等の主張・意見を聞き、証拠等の資料から調べ事実を認定したり、これまでの判例を参考にしつつ法律に基づいて判決を下します。

民事裁判は訴える側も訴えられる側も個人や会社などで、刑事裁判は刑罰に触れる行為をした人を検察官が国の代表として裁判所に罪の有無を判断し処罰を求める為に起訴し、法律と自身の良心に従って判決をします。

裁判官の仕事内容や業務内容

民事事件・刑事事件・家事事件・少年事件などの裁判を行い判決を下す

裁判官の仕事内容・業務内容は裁判が主とされます。

民事事件は個人や家族、会社や行政とのトラブルを審理し裁判官が「被告は原告に対し○○円の支払いを命ずる」や「原告の請求を棄却する」「双方の譲歩により和解」というような判決を下し、刑事事件では法に触れる犯罪を犯した人に対し、有罪か無罪かを審理し「被告人を○○年の懲役に処す」や「被告人を無罪とする」といった判決を下します。

その他家事事件(家庭内の紛争・問題)や少年事件(14歳以上20歳未満の少年少女が犯罪を犯した事件・刑罰法令に触れる行為をした少年少女が14歳未満で法律上罪を犯したことにならないものが被告になる事件・20歳未満の保護者の監督に従わない等の不良行為、性格や環境から罪を犯すおそれのある少年少女に対する事件)が主な4つの裁判に係わる事件です。

その他にも警察の強制捜査の際に発行される逮捕状や捜査令状も裁判所が発行するか否かを判断しますし、経済的に破綻した個人や会社に対して不動産の差し押さえや競売にかける事も裁判官が命じなくては行えないのです。

裁判官が下した判決は、その後の判例として残り、未来の裁判にも影響していきます。

日本の社会的秩序を維持していく為に重要な役割を担っている裁判官は「法の番人」と言われています。

裁判官の仕事内容や業務内容とは?再任と定年についても解説

裁判官になるにはどうすればいい?

司法試験を合格後、1年間の司法修習生の成績によって裁判官になる

裁判官になるには弁護士や検察官同様に司法試験に合格しなければならず、司法試験を受験するためには法科大学院を修了するか司法予備試験に合格する必要があります。

国家試験の中でも最高難度との呼び声も高く、その合格率は約20パーセント程度で、受験者の5人に1人が合格できるものになっています。

旧司法試験は合格率が3パーセント程度という狭き門だったのですが、2011年から司法試験の合格者を増やし、専門化の向上を目指す為に司法試験の内容や方式が変更され現在の合格率となっています。

司法試験に合格すると司法修習生になり、1年間裁判所・検察庁・弁護士事務所の3か所に研修に行き、その1年間の中で自身がどの道に進むのか、周囲からも判断してもらいます。

判断の基準になるのが起案の成績、向き不向きや本人のやる気、そして司法試験の成績です。
成績はABCのランク付けがあり、裁判官になるにはAを獲得し続ける事が基本になっていますが、特に起案が重視されます。

その他検察官や弁護士から裁判官になる方法として、非常勤判事を勤めたり常勤判事になるという方法もあります。

検察官や弁護士の経験を積んだ後に裁判官になる事でより身近で頼りがいをもつ裁判官を育成出来る事を期待された制度です。

裁判官になるには高卒では無理?裁判官の年齢制限について

裁判官になるための学校や学費の詳細

法科大学院に行く場合年間150万程の学費

学校名 学費 入試倍率(平成29年度)
慶應義塾大学 約1,542,000円(初年度1,642,000円) 2.01
東京大学法科大学院 804,000円 2.05
中央大学法科大学院 1,400,000円 2.04
京都大学法科大学院 804,000円 2.23
早稲田大学法科大学院 1,160,000円(年度) 3.4

裁判官になる為の学校には法科大学院という全国に36校(2019年4月現在)ある専門職大学院に通う道が一般的になっています。

一般の4年制大学等の法学部を卒業するか法学を履修している方向けの2年修了希望者(法学既修者)コース(各学校による)と初歩から学ぶための3年修了希望者へ向けた標準コースの法学未修者コースを設けています。

2019年現在、2020年度を目途に4年制大学の法学部と法科大学院が連携し、法曹を目指す学生の時間と経済的な負担を軽減するために「法曹コース」を創設し、最短5年で法科大学院まで修了出来るように政府が法改正を進めています。

法科大学院の学費は高額な事が多く国立で年間80万円、私立では100~250万円となり、学生の経済的事情が懸念されています。

裁判官を目指す為の大学ランキング!大学の特徴や学費の詳細について

裁判官の給料や年収はどれくらい?

新任で600万程度、10年の任官で1,000万、最高裁判庁長官になると最大年収4,000万

裁判官の給料や年収は、昔は公務員の中でも最も低いものでしたが、戦後引き上げられ給与を在任中は減額されないよう憲法で定められました。

任官から20年くらいまでは人事評価が反映されず、一律に昇給していきます。

新任判事補で月の給料は約23万円で一般企業の4年制大学卒社員とさほど変わりませんが、手当として初任給調整手当や地域手当、勤勉手当といった民間企業には無い手当てがつく事と、4.3ヵ月分のボーナスが支給されるので新任判事補でも年収は約600万円程になります。

任官10年目で判事補から判事へと昇格し、月の給料は50万円程になり年収が1000万円を超えます。

裁判官のトップである最高裁判庁長官になると月の給料は200万円程で年収は4000万円を超え、総理大臣や日本銀行総裁と並ぶ高所得者となります。

裁判官の平均年収や給料は階級によって増減する?

裁判官の1日の流れ

朝から終業時間まで事前準備や裁判をこなす

裁判官は各裁判所に勤務しているので、配属先により業務の量に差があります。

ある一人の裁判官の1日の流れをご紹介すると、朝9時頃に裁判所へ出勤し、書類に目を通し公判に向けた準備をします。

その後昼休憩まで裁判を数件行います。

昼食は配達のお弁当であったり外へ食べに行くなどして済ませた後、午後1時を過ぎるとまた裁判を続け、夕方5時ごろに帰路につきます。

急ぎの案件があれば深夜まで残業をする事もありますし、持ち帰りの仕事もある為、早朝や帰宅後に仕事をする事も多々あります。

基本的に土日は裁判所が休みの為プライベートの時間を取れますが、持ち帰りの仕事が多い時には自宅で資料を読んだり判決の起案を行います。

民事部と刑事部によってもスケジュールの違いが多少あります。

刑事部の案件は審理時間が1時間を超える事が少なくないので、1日に行える案件が少ないのが特徴です。

裁判が毎日あるとしても担当する裁判官が違う為、大抵は週に2~4日程度法廷に赴き、他の時間は処理案件をこなす為に机に向かったり、資料課へ資料を借りに行く、弁護士や検察官との打ち合わせなどしています。

地方裁判所では夜間に捜査令状等の処理の為、夜間当直があります。

裁判官の1日流れやスケジュールとは?判決を下すだけが仕事じゃない?

裁判官に向いている人や適性とは?

中立の立場で物事を考えられ、迅速に的確な判断ができる人

公平に法律に基づいた判決を行う事を求められる裁判官に向いているのは中立的立場で物事を判断でき、謙虚で思いやりの心を持ち、的確に迅速な判断が出来る人物です。

検察官や弁護士は被告や原告どちらか一方に肩入れし、法的に間違っているかもしれない事でも被告・原告の味方になり意見を主張したり、真相究明に向かわなくてはいけません。

ですが裁判官はどちらの味方もせず、中立的立場を守りながら真実に向き合い、法律による司法判断を下していきます。

そして法律違反や犯罪を犯し悔いている加害者や、被害を被ったいろんな思いを聞いてもらいたい被害者の気持ちを聞き、色んな人の心に寄り添える思いやりをもつ事も大切です。

様々な事案に判決を下していく必要があるので知識と法律の解釈力で事案の内容を分析し、結論に導いていく迅速な判断力も必要になります。

裁判官に向いている人や求められる人物像・性格や適性をチェック!

裁判官に求められる能力とは?

豊富な知識と経験を備え、先入観を持たずに公正な判断を下せる冷静さ

法の力と良心に従い、独立して罪を判断していく職である裁判官に求められる能力は沢山あります。

訴訟の当事者の話をしっかりと聞き、両者の心情を理解した上で公正に判断できる人情味を持った知識と経験を備えた人物である事です。

罪を憎んで人を憎まずという言葉にあるように、なぜ罪を犯してしまったのかという背景を調査しつつも先入観を持たずに公正に判断できる事が大切です。

真実の発見も大切ですが、その真実の裏側にあるものまで見ようとする事も大切です。

謙虚な姿勢でこれまでの判例や文献から自分の知識を増やす事も必要になっていきます。

もちろん事案の真相を見抜く事や事実の的確な認識・分析力を持っている事は絶対であり、全てを含めた人物像が、今求められている裁判官の姿なのだと言えます。

裁判官に求められる能力とは?判断力が無ければ裁判官は務まらない?

裁判官の就職先や主な活躍の場はどこ?

裁判所

裁判官の就職先はもちろん裁判所です。

裁判所には地方裁判所・家庭裁判所・高等裁判所・簡易裁判所・最高裁判所の5種類があります。

最高裁判所は司法の最高機関で、その次に高等裁判所(全国8か所)があり、地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所が最高裁判所の下に設置され、簡易裁判所は140万円以下の訴訟もしくは審議の内容が単純な事件を取り扱う裁判所で、全国に438ヵ所設置されています。

1つの裁判に1人の裁判官という体制で行われ、刑事事件も取り扱いますが、ほとんどが少額の罰金刑です。

審議する案件が多いのが特徴で、常に人手不足の状態です。

家庭裁判所は離婚・養子縁組、少年犯罪等を審議する裁判所で、1都道府県に1ヵ所の設置(支部あり)となっていますが、北海道だけは面積が広大であるために4ヵ所の50か所設置されています。

地方裁判所も家庭裁判所と同じく1都道府県に1ヵ所(支部あり)と北海道に4ヵ所設置されており、地方裁判所では傍聴が可能になります。

地方裁判所で1審判決を取る際は裁判官が1名ですが、2審となる際には3人の裁判官が審理を担当します。
高等裁判所は全国に8ヵ所で支部が6ヵ所あり、基本的に2審の審理を担当します。

そして最高裁判所では裁判官が15人在籍し、そのすべてが内閣により任命されたもので、3つの小法廷でそれぞれ5人の裁判官が審理を担当し、重大案件では全員が担当する大法廷が開かれます。

裁判官の就職先や主な活躍の場はどこ?裁判所以外の勤務地もある?

裁判官の志望動機や目指すきっかけとは?

公平な立場で正義を実現したい。

法曹三者の中でもどんな仕事をしているのかが見えづらいのが裁判官という仕事です。

そんな裁判官になりたいと決めた志望動機には公平な立場で正義を実現したいという方が多くいます。

検察官や弁護士は当事者や代理人としての主張をしなくてはなりませんが、裁判官は双方の主張を聞いて判断する事で厳正中立の立場を守りながら、法に触れる行為をしてしまった人を良い方向に変えるよう手助けをしたいと考えるのです。

その他には・社会の紛争問題を解決し、貢献したい。

・身分や収入の安定。
・法という秩序のもとに平和を守ることの大切さ。
・法学部で法律の勉強をするうちに奥深さや楽しさを知り、一番活かせる職業が裁判官だった。

という志望動機もあります。

裁判官を目指すきっかけは学生時代に読んだ小説や新聞記事、実際に合った事件の判決事案から…というのが多くある意見でした。

裁判官の志望理由や志望動機を調査!裁判官を目指すきっかけとは?

裁判官のやりがいや楽しさとは?

法と良心に従って当事者が納得できる判断を下す責任感がやりがいとなる

裁判官の一番のやりがいや楽しさは、やはり裁判所が判断しない限り、どんな人であろうと法律による裁きを下す事が出来ない点でしょう。

日本の法律の番人である裁判官が判断を下した判決が人の人生を大きく左右するものであるので、責任は非常に重大です。

日本の司法のトップに立ち、一つ一つの裁判で審理し、法と良心に従って当事者が納得できる判決を下していく、その責任こそがやりがいであると言えるのです。

人の人生や将来に大きく影響を与えられる事は社会的に重要な役割を担い、国全体の未来を担っていると言っても過言では無いでしょう。

実際に、司法修習の裁判所の研修で、裁判官のやりがいを魅力だと感じて裁判官を目指す方もいるくらいです。

裁判官のやりがいや魅力とは?仕事に対して「楽しさ」はあるの?

裁判官の辛いことや大変なこととは?

自身の下した判決によって刑が決まってしまう事、人手不足による事案の多さ

裁判官の仕事の辛さは、刑事事件における刑の言い渡しではないでしょうか。

軽微な刑~極刑までありますが、やはり気分の良いものであるとは言えません。

そしてやむを得ず法に抵触してしまった事件や乳児や幼児、児童虐待などの事件が後を絶たず、そういった事件・事故の事案を担当することで公平で適切な判断を求められる裁判官の正しい判決が重大な責任を担う事になるのです。

大変な事には一人が担当する事案の多さもあるでしょう。

年間約200~300件ほどの事案を抱える裁判官も多くいる為、時間外労働や持ち帰りの案件も多く、休みや睡眠時間を削って資料を読み込み、審理に臨む事が多々あります。

肉体的にも、そして精神面でもタフでないと続ける事が難しいのが裁判官という仕事なのです。

裁判官という職業の中で大変なことや辛いことは何?

「裁判官」の資格取得について

資格取得-裁判官

裁判官への資格取得には司法試験に合格する事が必須条件です。

そして司法試験を受験するための資格が、法科大学院を卒業するか、予備試験という学歴・居住地・国籍の制限が無い試験に合格する事なのです。

どちらかの資格取得方法で司法試験の受験資格を取得した後の4月1日から5年以内なら、年に1度の司法試験を5回までなら受験できますが、不合格が続いた場合には再度受験資格を得るために、法科大学院を修了するか予備試験に合格する必要があります。

予備試験の通信講座を受講すれば資格取得は可能?

予備試験に向けた通信講座で、スキマ時間を利用した予習や復習に使用するのが吉

司法試験は国内でも難易度が高く、的確に核心を捉えた勉強を行う事が必要になります。

憲法や行政法等の七法を正しく学び、解釈出来るようになる事、事例問題に対し論点を探し、法に則った規範と事実を当てはめ、正しく良心に沿った判断の演習を行えるようにならなければいけません。

現在は法科大学院の設置されている大学で法職講座として行われていたり、大学の通信講座、その他色んな通信講座企業から講座が開設され、法科大学院入学や予備試験への対策として行われています。

まずはそういった講座で法科大学院の入学や予備試験の合格を目指す事を目標に基礎的な知識や技能を習得し、さらに上位の学習をしていくことが大切です。

また、学生であれば大学や専門学校で学ぶことも大切ですが、学校で学びながら更に学校で学んだことの知識や技能を身につける事が出来、復習や練習にもなる通信講座を利用する事がおすすめです。

社会人なら働きながら、法学未修者であれば本科の合間に法学を身につける事が可能になるので、予備試験突破に向けた通信講座や夜間コースの選択肢もあります。

そういった講座を受講する事で法科大学院入学や予備試験の合格を目指し、司法試験の合格を掴むことは難しくはないでしょう。

高卒でも予備試験の通信講座を受講すれば合格して裁判官になれる?

司法試験予備試験の日程

5月中旬に年に1回、4日間

司法試験は毎年、5月中旬に年に1回、4日間実施されています。

始めの3日間は論文式試験を、最後の1日は短答式試験というスケジュールになっており、論文式試験は選択科目・公法系科目・民事系科目・刑事系科目からなり、短答式試験は憲法・民法・刑法から出題されます。

短答式試験はマークシート方式で、試験中の参照物は認められていません。

そして全員が論文式試験を受験しますが、短答式試験で不合格になると論文式試験を採点されない為、実質的に不合格となります。

予備試験は3回に分けて構成されていて、短答式試験が5月中(七法と一般教養)、短答式試験の合格者のみ論文式試験が7月中(七法と一般教養・法律実務基礎科目)、論文式試験の合格者のみ口述試験が10月中(法律実務科目)に実施されます。

司法試験予備試験の日程や会場まとめ!願書の入手方法も解説!

裁判官になるための予備試験・司法試験の難易度とは?

かなり難易度が高く国家試験の中でも三本の指に入る程

司法試験の難易度の高さは国家資格の中でもトップ3に入る程で、法曹三者への道は狭き門とされています。

法曹三者に必要な知識や応用能力を測る為の試験で、短答式試験と論文式試験の2つに分かれています。

短答式試験はマークシート方式で、刑法・民法・憲法の3科目から出題され、各科目の全ての範囲から出題されるので、確実な学習方法で知識を身につけておく必要があります。

論文式試験はA4の白紙10枚に回答を論述式に記入していきます。

こちらは選択(1問)・民事系(3問)・刑事系(2問)・公法系(2問)の4科目(8問)があります。

司法試験の難易度の高さの所以はこの試験の内容でもある七法を如何に自身の身につけているかと、その知識の応用力があるかとも言われています。

まず、膨大な知識を要する司法試験に対しての勉強時間の確保の難しさは、トータル8000時間の勉強時間が必要だと言われていることからも分かるように、1日8時間勉強したとして約3年かかるのです。

そして単に勉強するのではなく、しっかりと理解しながら膨大な量の法律の基本を身につけ、司法試験で求められる回答を導き出す力を養うということが大切で、効率的な勉強の仕方が必要なのです。

予備試験の難易度は激ムズ?法科大学院に行かなくても合格できる?

司法試験の難易度が低下?昨今の司法試験は予備試験組が受かりやすい?

司法試験の合格率や合格ラインとは?

司法試験の合格率は20%程度、短答式で8割以上の点数が必須

司法試験は合格率が低いとされている国家試験です。
また、司法試験を突破し、司法修習生として1年間研修してからでないと裁判官になる資格を得る事が出来ません。

旧司法試験では合格率が1~2パーセントと極端に狭すぎる門で、年間合格者数も500人程度に抑えられていたのですが、新司法試験への移行期から新しい法曹養成制度の改革を行ってからは20パーセント台を切る事は無く、安定した合格率を保っています。

法科大学院からは2年コースからの合格率が高い為、やはり法学を長く学んできた結果が出ているのでしょう。

予備試験の合格率は3~4パーセントですが、予備試験合格者の司法試験合格率は77.6パーセントと高く、それだけ予備試験の難しさから年単位での集中的対策と自分のスタイルに合った学習を行えることで司法試験の合格率も上がるのでしょう。

そして予備試験の試験や採点の形式が司法試験と酷似している為、予備試験は司法試験の模擬テストのような感覚で、特別な対策を取らなくても合格してしまう事が多いとされています。

合格ラインは短答式の合計点が175点で8割取得を推奨する為、140点(実質平均点は120点程度)、論文式は答案の採点が優秀・良好・一応の水準・不良の4つにカテゴライズされ、裁判官を目指すなら良好より上の採点を貰わないと、司法修習の段階で裁判官への推薦や任官は難しいとされます。

弁護士白書2018 司法試験合格者の状況より

司法試験の合格率は低い?合格者の特徴と合格できるラインとは?

司法試験の勉強方法や勉強時間

予備試験・司法試験トータルで10,000時間弱

司法試験・予備試験はトータル8000~10000時間が必要だと言われていて、基本となる法律だけでもその量は膨大です。
そのため、勉強方法がわからないという声が多く上がります。

どれだけ効率的な方法で勉強をを進められるかが合格するかどうかのキモになってきます。

中でも民法は条例が1000を超え、全体を把握しなくては最初の頃の条例が分からない事も多々あるので、まずは出来るだけ早めに全体を把握してしまう事が必要です。

基本となる教科書を何度も読み込み、徹底的に覚えこみ、その次には何度も繰り返し問題をこなして慣れていきましょう。

回答の方法は過去問題と解答を繰り返し見ていくことで覚えこむ事が出来ますし、その上で分からない所を調べたり教わったりしていくことでだんだんと身につける事が出来ます。

短答式試験の対策は、どのような意図で出題されているかに気を付ければ自ずと解答が導かれていきますし、論文式試験の対策は論点についての判例や学説を身につける事で、どう解決できるか示す事が出来ます。

大切なのは基本となる事をどれだけ自分の中に落とし込めるか、落とし込んだことをどれだけ応用できるかなのです。

基本の教科書だけでは不安な方は通信講座や学校に頼る事も大切です。

司法試験の合格に必要な勉強時間の平均は何時間で勉強量はどれくらい?

裁判官になる為の司法試験を最短で合格するには?

司法試験予備試験に合格した後、司法試験に挑む

最短で裁判官の資格を取得するには、司法試験予備試験の合格が一番です。

司法試験を受験するためには4年制大学卒業後に法科大学院に進み、最短でも2年間の履修が必要となるので、高校卒業後から6年かかることになります。

ですが予備試験は学歴や居住地、国籍の制限も無く、誰でも受験する事が出来るので、司法試験への近道といえるのです。

これまでの最年少合格者には旧司法試験の頃に1次試験を中学3年生の男子生徒が合格し、2018年の現行の司法試験には大学1年の19歳の青年が司法試験に合格しています。

ですが予備試験合格への道は4パーセントとかなり厳しく、独学や通信講座、夜間コース等へ通うといった勉強方法は様々ですが、かなりの勉強量と時間を費やす事には変わりありません。

先述した大学生は中学生のころから法律に興味を持ち、勉強を重ねて高校進学後に本格的な予備試験に向かう勉強を始めていたことからも分かることです。

大学で4年間勉強をして法科大学院に進み最短でも2年間を要するといった期間を考えれば、予備試験の受験を考えた方が賢明だと言えます。

予備試験合格者には大学在学中の合格者も多く、予備試験合格者からの司法試験の合格率は77.6パーセントと高い事もおすすめ出来る近道だと言えます。

司法試験を最短で合格するには通信講座を受講して試験に挑むべき?

司法試験を独学で勉強するのは難易度が高い?

かなり難しいが、強い意志を持って勉強することで合格できる可能性はある

裁判官になる為に必ず必要な司法試験を受験するためには大学卒業後に法科大学院に進み、集中して講義を受ける方法が多く取られていますが、独学で合格するという強い意志を持っていれば、予備試験を受験するという方法もあります。

予備試験の合格率の平均ははたった4パーセントですが、しっかりと適切な学習方法を行えば合格出来る可能性があるのです。

しかも予備試験合格者は法科大学院卒業者よりも司法試験の合格率が約20パーセント高く、それだけ質の高い学習方法を行っていると言えるでしょう。

では完全なる独学で質の高い学習方法を身につける事が出来るのかといえば、それはかなり無理があります。

ですので予備試験合格者は予備校や通信・通学講座といったものを利用している率が高く、効率よく自分に合ったペースで学習しています。

法科大学院に通うよりも費用も抑えられ、時間的拘束も少ないのでおすすめ出来ます。

予備試験や司法試験の対策や料金は各学校や講座によって異なりますが、生徒に対するサポート体制が整っているものばかりなので、効率よく学習する為にも利用する事が望ましいです。

こういったことからもわかるように、完全なる独学で司法試験に臨むのは難易度が高いと言えるでしょう。

司法試験を独学合格は不可能?通信講座の教材だけで合格はできる?

司法試験の過去問勉強法

過去問集を繰り返し読み解くことで、問題への理解力を付けることができる

司法試験合格への一番効率のいい学習方法は基本的な教科書を繰り返し読み込み、法や条例の過去問を何度も解いていく事です。

司法試験の過去問題は法務省のサイトに平成18年分から確認する事が出来るので、その中から重要視されている箇所を見つけていきましょう。

基本とする教科書は一定の水準と分量を選び、丁寧に読み込むことで司法試験の問題を理解できる程度の基礎が備わるので、過去問題を繰り返し解いていくことで問題に慣れ、回答方法を身につける事が出来てきます。

過去問を覚えていくのではなく、問題を読み解き、どんな意図で出題され、その法律の判例や学説で解決できるのかと自身で考える事が大切で、自身が身につけた事をどれだけ応用して解答を導けるかが重要になるのです。

過去問を解く事に慣れてきたら時間を計測しながら挑んでみましょう。

民法は問題数が一番多く、1問にかけられる時間が少ないので、問題文をしっかり確認し、解答欄のずれにも気を付ける事が必要です。

過去問を解く事で出題形式のパターンや形を変えて出題される重要な知識を理解する事で、司法試験に向けた学習のどこにポイントを置くかも分かる為、通常の学習にプラスして過去問を解いていくと効率よく進める事が出来ます。

司法試験の過去問勉強法とは?確実に司法試験に合格する為の指南書

司法試験の受験資格や裁判官の実務経験について

1年間の司法修習として実務経験を積むことで最後の試験の受験資格を得られる

裁判官の資格取得には、司法試験に合格し、1年間の司法修習で裁判所・検察庁・弁護士事務所での研修を行います。

この司法修習が実質的な実務経験となります。

司法修習は「導入修習(1ヵ月)」「分野別実務修習(4分野を7ヵ月)」「選択型実務修習(3ヵ月)」「集合修習(3ヵ月)」の4つからなり、導入修習は同期の修習生全員で座学を中心にこれからの1年間の収集ガイダンス的なものです。

分野別実務修習は民事裁判・刑事裁判・弁護・検察の4分野をそれぞれ約2ヵ月程度実際に実務として体験的に学びます。

選択型実務修習は司法修習生が自分で選び、学ぶプログラムで、集合修習は民事裁判・弁護、刑事裁判・弁護、検察実務を実際の記録を基にした起案から、事件の処理を総まとめとして学ぶ研修です。

司法修習を終える事で裁判官になる為の最後の試験「司法修習生考試」の受験資格を得る事が出来ます。

裁判官に実務経験は必要?司法試験の受験資格を詳しくまとめてみた

裁判官になるまでの道のり

法科大学院を修了もしくは司法試験予備試験合格の後、司法試験の合格

裁判官になる為の資格取得までの道のりは2つあり、まずは高校卒業の後、4年制大学へ入学・卒業し、全国に36校ある法科大学院に入学し2年か3年間、司法についてみっちりと学び、卒業することで司法試験を受験する資格を得られます。

もう一つは学歴や年齢、居住地・国籍の制限が無いかわりに難易度が高い予備試験に合格する事で司法試験を受験する資格を得ます。

その後は両ルート共に司法試験を突破し司法修習生になり約1年間の司法修習である導入修習・分野別実務修習・選択型実務修習・集合修習を行い、二回試験と呼ばれる司法修習生考試に合格の後、裁判官への採用試験に合格して、やっと裁判官の中でも判事補という階級に任官されます。

裁判官になるには、司法試験や司法修習の成績の上位者でなければならず、教官からの推薦状があれば有利とされています。

任官されるには多くの難関がある裁判官ですが、それだけ重大な責任がある仕事ですから、たくさんの山場を越える必要があるのです。

そして司法修習生考試で不合格だった場合は次年度の司法修習生考試を再試験しますが、これは3回しか受験する事が出来ず、3回不合格になると再度司法試験の受験から始めなくてはいけません。

裁判官になるまでの道のりは長い?裁判官になるためのルートとは?

「裁判官」の雇用形態について

裁判官の雇用形態

裁判官は最高裁判所と下級裁判所と言われる高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所で雇用形態が変わります。

裁判官は労働時間に決まりが無く、基本的に自身が担当する法廷以外の時間は自由に裁判所内外での起案作成や実務作業にあたる事が出来ます。

また、地方裁判所では令状発付の為に夜間当直があるなど、裁判官の仕事は裁判での判決を下す以外にも沢山あるのです。

裁判官は男性のイメージが強いですが、今では26パーセント程の女性裁判官が活躍しています。

裁判官の雇用形態や働き方の詳細

10年ごとに国民審査のある最高裁判所での裁判官として勤務、もしくは下級裁判所での勤務

裁判所には大きく分けて最高裁判所と下級裁判所の2つがあり、最高裁判所の裁判官は、最高裁判所長官1名・最高裁判所判事14名の15名で構成されています。

その他最高裁判所調査官や最高裁判所事務総局に裁判官の身分で判事や判事補が勤務しますが、それらは東京最高裁判所や東京地方裁判所に所属の判事や判事補です。

最高裁判所に属する裁判官は基本的に任期がありませんが、10年ごとの国民審査に通過しなくてはならず、70歳に達すると退官します。

下級裁判所では高等裁判所長官を各地方のトップとし、高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所に判事・判事補が所属します。

下級裁判所の裁判官は最高裁判所が指名した名簿を基に内閣が任命して決まり、任期を10年と定められていますが基本的にそのまま再任される方が多くいます。

高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所の裁判官は65歳、簡易裁判所裁判官は70歳と定年が決まっており、その年に達した時点で退官します。

裁判官というお仕事の雇用形態とは?働き方の詳細や身分保障について

裁判官の休日・休暇や勤務時間について

裁判所に出勤するため8時半~17時頃まで、多忙でなければ土日や祝日は休暇も可能

裁判官には決まった勤務時間が無く、割り当てられた案件を適切かつスピーディーに処理していく事が求められています。

とはいえ毎日案件をこなす為に裁判所に出勤するのですが、他の職員との兼ね合いから朝8時半以降に出勤し、夕方は17時頃に帰宅する事が多いです。

事件の証拠などの資料や判決を書く仕事は持ち帰り、自宅で作業する事も多々ありますが、残業手当や休日手当ては無く、みなし残業代として給付されています。

裁判が行われない土日を利用して資料の確認に裁判所へ向かい作業する裁判官も少なくないのが現状です。

土日や正月、ゴールデンウイークと夏季にも休廷期間が20日程あり、溜まっている仕事が無ければ自由に休暇を過ごす事が出来ます。

裁判官の休日や休暇は職業上あまり休めない?勤務時間についても解説

裁判官の転職状況や未経験採用の詳細

裁判官からの転職は法学部や法科大学院の教授など。基本的には退官まで務める

裁判官が転職するとなると、同じ法曹三者である弁護士に転職される方が多くいます。

ですが現在は弁護士の数が増えすぎて、経験の浅い弁護士でも独立させるを得ない状況や、数少ない顧客の取り合いになっているような状況なので、弁護士未経験での裁判官からの転職はかなり厳しいと言えます。

数少ないですが、中には大学の法学部教授や法科大学院の教授に転職される方もいますが、基本的に裁判官は転職する事が少なく、退官まで勤め上げる方ばかりで比較的法曹三者の中でも転職率が低い傾向にあります。

裁判官の未経験採用というのも、司法試験合格・司法修習生考試の突破からとなるので、皆未経験からのスタートとなります。

裁判官は転職する事が多い?少ない?未経験採用等の詳細もまとめてみた

裁判官の現状や将来性・需要について

人手不足となっておりかなり需要がある。また、将来的にもAIに取って代わられる職業ではない。

現在の日本の裁判官はとても少なく、本来必要とされる人数の半分程度しかいません。

ですが裁判所が取り扱う事件の処理数は倍増していますし、事件の種類も多様化している為、1件の処理に時間がかかるものも増えています。

地方裁判所や家庭裁判所には裁判官が常駐していない支部がある等して地方の司法に影響がある為、裁判官の需要は高まっているのですが、国の一般会計歳出予算が少なく、大幅増加が望まれています。

そして裁判官の将来性についてですが、公務員であり、社会紛争が無くならない限りは裁判官という職が無くなることはなく、憲法で身分の保証を確定されているので、よほどのことが起きない限りは退職させられることもありません。

定期的な転勤を繰り返し、順調に昇進していけば年収も1000万円を超えるため将来性が高い職種でもあると言えます。

そして将来性と言えばAIに成り代わられる職種とされており、AIに裁判の事例を記憶させれば人間より公平に判断できると言われていますが、裁判官の「中立の立場で公正な判断をする為に、その良心に従ひ独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。(日本国憲法第76条)」という良心にかける事、バグや故障の心配があることからもAIに取って代わられる事のない職種だと言われています。

裁判官は需要がない?近年の裁判官の将来性や現状について

裁判官の就職状況や求人について

定員は例年100人程度

司法修習生考試を終え、裁判官の道に進むのは4パーセント程と少なく、定員は例年100人程度とされています。

そのすべてが各地方にある最高裁判所や地方裁判所、家庭裁判所などに配属されて、判事補として勤務していくことになります。

司法修習終了後には判事補採用願・履歴書・希望任地調査票(第3希望まで)・新任判事補志望者カード・戸籍謄本・写真・面接通知用封筒を司法研修所長に提出しなくてはいけません。

郵便にて提出する事も可能です。

希望を出した全員が必ず裁判官(判事補)になれる事は無く、希望者の中から裁判官に見合った知識を持つ者、適性がある者を選出され、判事補になる事が叶います。

司法修習生の人数が減少している事と弁護士の人数が増えていることから、裁判官への志望人数と予算が増え、定員が増える事を祈るばかりです。

裁判官の求人状況・就職状況について解説