宅建とは?宅地建物取引士の仕事内容・試験難易度・合格率を徹底分析

宅建資格不動産

今までの人生の中であなたは何回引っ越しをしましたか?

賃貸・分譲・戸建て・マンション、生活するためには必ず必要になる住居ですが、その専門家にあたるのが宅地建物取引士です。

通称「宅建」などと呼ばれ、宅地建物取引業者、いわゆる不動産屋さんで働くためには必要な資格であり国家資格になります。

このページでは宅建の仕事内容から、宅地建物取引士試験の試験難易度や合格率などを徹底分析しております。

宅建とは?宅地建物取引士の概要

住宅売買成立

宅地建物取引士は1958年の創設された国家資格になります。

1958年(昭和33年)は戦後からの高度経済成長期にあたる時期であり、1973年までは年平均10%以上の経済成長を遂げた時代ですの、インフラ整備が盛んに行われていたことでしょう。

そんな中、宅地建物の公正な取引が行われることは今後の経済成長にはとても重要と判断し、現在の国土交通省にあたる当時の建設庁が宅建を創設いたしました。

宅建とは通称であり現在の正式名称は「宅地建物取引士」になります。

創設当初は「宅地建物取引員」という名称でしたが、1965年(昭和40年)に「宅地建物取引主任者」、2015年(平成27年)に「宅地建物取引士」へと名称が変更しました。

それぞれの名称は法改正によって行われましたが、名称だけでなく宅建に求める知識や能力に対しても時代に合わせて変化しています。

通称は宅建のほかにも、「宅建士」などとも呼ばれます。

宅建取得するメリット・デメリット

宅建士対策講座

宅建を取得することでどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

ここでは宅地建物取引士のメリット・デメリットについて徹底分析していきたいと思います。

【メリット】業務独占資格になる宅建士

国家資格はその役割により、業務独占資格、名称独占資格、必置資格などに分かれます。

国家資格である宅建士は、業務独占資格にあたります。

宅建の資格がない方は宅建士の業務を携わっても法的根拠が発生しないため、宅建を取得することは大きなメリットになるでしょう。

つまり、宅建士を取得することで独立・開業することができるということです。


【What?業務独占資格とは?】

それぞれの資格に対して法令で定める管理監督者として独占的に業務を行える資格になります。

医師弁護士公認会計士なども宅建士と同じ業務独占資格になります。


【What?名称独占資格とは?】

資格取得者以外の人が資格の名称を使用することが禁止されている資格です。

保育士管理栄養士調理師などが名称独占資格になります。


【What?必置資格とは?】

その業務を行うために、資格保持者を必ず設置しなければならない資格です。

管理美容師自動車整備士などが必置資格になります。

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スキルアップして就職・転職に有利

宅建はそんな簡単に取得できる資格ではありません。そんな資格を取得しているということは、それだけ知識を有しているという証にもなります。

そのため、宅建士が必要とする就職先ではなくても企業としては採用する可能性が高いといえます。

土地取引はどんな企業でも必要とされるものです。支店の開設や新しい事業を始めるときにあなたの宅建士の力が必要となることもありますよ。

ということは、給与も手当として反映することもあるでしょう。

また、宅建は他にも関連する資格が多数あります。取引としてお金が発生するため、不動産業界以外にも金融業界でも重宝することでしょう。

最初にも述べましたが、不動産関係は生活する上で必ず必要になる知識ですので、仕事に対してだけでなく人生においての知識としてスキルアップすることでしょう。


勉強時間を費やすデメリットがある

宅地建物取引士はちょっと勉強すれば合格できるような試験ではなく、ある一定以上の勉強をしないと取得することは難しいでしょう。

そのため、学生時代から専門学校に進学し勉強する方もおられますし、社会人の方も独学で勉強するよりは通信講座や資格の学校に通って勉強する方にほうが多いでしょう。

つまり合格するためには十分な勉強時間が必要であり、通信講座などの費用もかさむことになります。本業の仕事が宅建士と関わりのない仕事なら本業を疎かにしてしまうかもしれません。

短期的に考えるとこういったデメリットは必ず存在してしまうことでしょう。

宅地建物取引士の仕事内容とは?

宅建士予備校

実際に宅建士となり関係する仕事に従事した場合、どんな仕事内容が主体となるのでしょうか?

宅建士の仕事内容を徹底追及していきます。

不動産業としての仕事内容

宅建取得をして一番可能性が高いのはこの宅地建物取引業(不動産業)ではないでしょうか。

不動産業を事務所として開設する場合、5人に1人以上の割合で宅建士の資格を有する者を事務所ごとに置かなければいけません。

大手不動産会社であれば、必須資格といっていいほどのものですし、独立開業する場合も自身が先頭に立って開業することができます。


【契約成立書面の立ち会い】

土地や建物の売買を行う場合、書面による締結が必要になりますが、法律上宅建士以外がこの売買契約をすることができません。

まず、不動産情報が記された重要事項の説明をできるのが宅建士だけにしか許されておらず、重要事項に記名、押印を押してもらうための案内も宅建士だけのできる仕事になります。

また、重要事項説明後の契約書面(37条書面)によって締結させることになりますが、この契約書面には宅建士による記名・押印が必要になってきます。


【宅地建物取引士証】

不動産取引時の重要事項説明時には相手方に「宅地建物取引士証」を提示しなければいけません。

宅地建物取引士証は自動車免許証と同じく、氏名・住所・生年月日・有効期限」の他、顔写真付きになっており、5年毎に更新が必要になります。

申請することで更新することが可能ですが、初めて交付を申請する際、試験合格日から1年を経過している場合は法定講習を受ける必要があります。

金融業界や建築業界でも重宝される

例えば、銀行などの金融業界では不動産を担保としてお金を融資したりもしますので、宅建士としての仕事もあるでしょう。

仲介契約としての不動産ローンも貸金業としての免許だけでなく宅建士としての免許も必要になってくるでしょう。

建築業界では、自社が建設した建物を販売するためには宅建業の免許が必要になります。

つまり、不動産業は金融業と建築業とは切っても切れない関係であることは間違いありませんね。


【今後も仕事内容として需要が高まる宅建】

高度成長期を経て現在も活躍する宅建。

時代に即した法改正が行われる度に名前が変わりつつもその仕事内容も多様化してきました。

今後も東京を中心として国際的に売買取引が盛んになっていくことでしょう。

宅地建物取引士としての需要は益々伸びていくのではないでしょうか?


宅建試験・宅地建物取引士試験について

勉強中の机

宅地建物取引士を目指すには試験に合格しなければいけません。

国家資格である宅建士の受験者数はおよそ20万人以上。

日本で一番受験者数の多い試験は英検の約200万人ですが、年複数回あることと階級によって試験が分かれるため、1つの試験としてはそこまで多くありません。

宅建試験は年1回であり、階級もありませんので、1つの試験で20万人以上受験する試験と考えると日本一ではないでしょうか?

<宅建試験:一般社団法人不動産適正取引推進機構>

試験概要

受験資格は特になく、年齢・性別・学歴・国籍等関係なく誰でも受験することが可能です。

実施時期は10月の第3日曜日の年1回の実施になり、受験後45日後にあたる週の水曜日までに合格発表されます。

試験会場は居住している都道府県の指定された会場になります。

【受験内容】

宅地建物取引業法施行規則第8条によって、7分野から50問出題されることになります。

四肢択一式の筆記試験(マークシート)になり、試験時間は2時間になります。

Ⅰ.土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。

Ⅱ.土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。

Ⅲ.土地及び建物についての法令上の制限に関すること。

Ⅳ.宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。

Ⅴ.宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。

Ⅵ.宅地及び建物の価格の評定に関すること。

Ⅶ.宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。

既に宅地建物取引業に従事している方は、登録講習実施機関が行う登録講習を受け、登録講習修了試験に合格すると、上記Ⅰ及びⅤについての試験が一部免除され45問(1時間50分)になります。


【登録実施講習の申込み】

登録講習実施機関は資格学校や大手不動産会社など約20社となっています。講習スケジュールは各機関によって異なります。

通信教育を2か月ほど受講しその後2日間の講義・修了試験を経て合格すると登録講習修了者証明書が交付されます。

登録講習終了後の年に宅建試験を受験する場合は、登録講習の申し込みを3月頃までに行い6月末までに修了者証明書を交付されるようにスケジュールしておきましょう。

宅建士対策講座

過去の受験者数の推移

実施年度 申込者数 受験者数
2017年 258,511名 209,354名
2016年 245,742名 198,463名
2015年 243,199名 194,926名
2014年 238,343名 192,029名
2013年 234,586名 186,304名

過去5年間の申込者数、受験者数をみてみると、年々増加傾向になっていることがわかりますね。

ただ、過去一番受験者数が多かったのが1990年の約34万人。時代はちょうどバブル崩壊前の頃だったので不動産業界が盛り上がっていた時期でした。

翌年1991年のバブル崩壊によりその後下火となり、ここ5年で東京オリンピックの関連もあってか増加しています。

宅建試験の合格率はどのくらい?

実施年度 合格者数 合格率 合格基準点
2017年 32,644名 15.6% 35点
2016年 30,589名 15.4% 35点
2015年 30,028名 15.4% 31点
2014年 33,670名 17.5% 32点
2013年 28,470名 15.3% 33点

過去5年間の宅建試験合格率はおよそ15%ほどとなっているので、なかなかの試験難易度となっています。

合格基準点が50問中35点ほどですので7割ほどの点数が必要になります。7割の点数で15%ほどの合格率ですので、問題が非常に難しいということがいえます。

また、合格基準点数が年ごとに変わっていることから、合格率によって調整しているところがあるのでしょう。

ただ、7分野ごとの点数で足切りはなく総合点数で採点されるので苦手分野があっても挽回するチャンスがあります。

宅建の試験難易度は高い?低い?

資格名 合格率 難易度
不動産鑑定士 約10%(論文式) 超難関
マンション管理士 8% 難関
行政書士 約10% 難関
宅地建物取引士 約15% 普通
FP2級 約30% 優しい

国家資格であり、数ある業務独占資格の中と比較すると比較的優しい部類に入るのではないでしょうか?

年間受験者数が20万人を超えるのも、難易度が高過ぎないこともあるのでしょう。

そして、宅建と関連する資格の難易度ですが、ファイナンシャルプランニング技能士(FP)の2級あたりが宅建の下位互換となる資格でしょう。そのため、初めて宅建の試験を臨む方であれば、一度FP2級あたりまで受験しておくと有利に働くでしょう。

宅建を取得しさらにスキルアップを目指すなら、法律系に特化した行政書士、宅建と組み合わせることで威力を発揮するマンション管理士、不動産最難関で完全なる上位互換の不動産鑑定士などを目指していくのが良いでしょう。

宅建合格までの勉強時間はどのくらい?

宅地建物取引士

宅建取得までに掛かる勉強時間はおよそ400時間だと言われます。

1日2時間勉強したとして200日ですので、1年ほど掛かると考えておくのがベターでしょう。

ただ、関連資格を取得していたり、不動産関連の仕事に従事しているのであればそこまで掛かることはないはずです。

1年掛けてゆとりを持って勉強するのが一番ですが、資格取得へ向けて一番の難関がモチベーションを維持することです。

難関試験になるほど勉強期間は長くなり、1年の勉強期間になるとモチベーション維持はとても大変です。

そのため、通信講座や資格学校に通うことはモチベーションを維持することにも役立ちますので、活用するようにしましょう。

独学で合格することは可能?

もちろん可能です。独学ではモチベーションを維持するのがとても大変なので、逆に短期集中で勉強することが望ましいでしょう。

目安は200時間の3ヶ月ほどです。1日2~3時間ってところでしょうか。

もちろん、隅々まで勉強することはできないので偏った知識になるかもしれませんが、実戦形式で問題を解いていくことを中心に行えば無理ではありません。

まとめ|宅建は不動産資格の登竜門

宅建士

宅地建物取引士(宅建)は戦後高度成長期時代に宅地建物の公正な取引が行われるために作られた資格です。

今後も日本のグローバル化が進んでいくことで色々な宅地建物の取引が出てくる需要が高い資格でしょう。

宅建試験の合格率はおよそ15%ほど、資格試験難易度としては中の上あたりでしょうか。

関連する資格も多いのでスキルアップしやすく、また勉強に取り組みやすいですが、半年ほどの勉強期間は設けるようにしておきましょう。

資格学校や通信講座も充実しているので、勉強の仕方がわからない方は利用するのが望ましいでしょう。